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点字体験 ③点字を読む・点字を打つ

東京都立葛飾盲学校で行われた公開講座「点字体験~点字の基礎を学び、点字を使ってみよう~」。午後は、葛飾盲学校の大森先生・松下先生による、点字の読み書きの実習がありました。
大森先生は理科担当。理科は、単位など普段使わないものや、化学式など特殊なものがあり、どう点字で表すのかを調べながら教えているそうです。

点字を読む

まず、点字の読み方。
前回の記事で紹介したようなルールに加えて、点字独自の書き表し方があります。
それらを学んだあと、点字で書かれた50音、簡単な単語、簡単な文章、そして詩を読みました。
点字の50音表の中から探しながら読むので、最初はまるで暗号解読のようになかなか進まなかったのですが、点字の規則性がわかり、知っている文字が増えると、少しずつ読むのが速くなり、読むことが楽しくなってきます。
つい、むかし映画で見た、こんなセリフが飛び出してきました。
「読める。読めるぞ!」

点字を打つ

続いて、点字の打ち方。
点字を打つには、こんな「点字器」を使い、紙を挟んで「点筆」を使って文字を打っていきます。

点字器

まずは点を打つ練習から始め、自分の名前、簡単な単語、簡単な文章を打つのですが…ここで衝撃的な話が!
点字器で点字を打つときは、左右裏返しで打たなければなりません!
紙の裏から点を打つことになるからです。
つまりこんな感じ。

点字器で打つときは裏返しに打つ

頭がこんがらがりそうになりながら、下書きをして、右から左へと慎重に点字を打っていきます。打ち間違えても簡単に消せないからです(消す器具や流儀はあるそうですが)。
打ち終わった点字は、見ただけでは合っているか自信がありませんが、松下先生が指をさっと滑らせながら読んで確認してくれました。

このあと、暑中見舞いや年賀状の文章を打ちました。とても時間がかかりましたが、こちらも、点字を読むのと同じく、慣れてくると少しずつ速くなってくるのかも知れません。

「点字」の展示も!

会場の後ろには、さまざまな資料も展示されていました。

視覚障害や点字に関するいろいろな本
点字を使ったおもちゃ
視覚障害者に配慮した日用品
盲学校で使われている地球儀
普通の教科書(左)と拡大された文字の教科書(右)
拡大された文字の教科書(左)と点字の教科書(右)

点字を知って日常が変わった

これまで点字について深く知ることはありませんでしたが、この講座に参加して、ちょっとだけ日常が変わったような気がしました。

街の点字ブロック、駅の音声案内にも気を配るようになりました。
エレベーターや家電製品などの点字にも目が留まるようになりました。
少し読めるようになると、身の回りのことがこれまで知らなかった方法で記されていたことに感動しました。
点字がコミュニケーションのためのものだと実感すると、世界が広がったような気持ちになりました。 

ちょっと検索すると、点字を学べるサイトもあるようです。
点字は取り組みやすいけれども奥深い世界。使う機会はあまりないかもしれませんが、もう少し学んでみたいなと思いました。

(文:新井)