葛飾の噺家 三遊亭吉馬・仁馬の「笑って学ぶ落語の魅力」実施報告
去る10月21日(土)に、かつしか区民大学『葛飾の噺家 三遊亭吉馬・仁馬の「笑って学ぶ落語の魅力」』を開催いたしました。
タイトルのとおり、葛飾出身の落語家のお二人を講師にお招きして、楽しみながら落語の奥深さを学び、味わいました。
なお、本講座は「かつしか区民大学区民運営委員会」の企画・運営で実施しました。
落語の歴史
今回の講座は前半に落語の歴史についての講義を行い、後半に実際の落語を楽しみました。
講師をお務めいただいたのは、葛飾区出身の若手落語家の三遊亭吉馬さん、三遊亭仁馬さんのお二人です。お二人とも現在二ツ目としてご活躍中で、とても気さくに楽しく落語の魅力を語っていただきました。
前半の講義は、落語の歴史について、その起源と言われている室町時代末期から安土桃山時代にかけての話から、本格的な寄席興行の始まった江戸時代の話、そして現代の落語家の所属する団体や、寄席小屋の話に至るまで、落語がどのような時代の流れで発展してきたのかを学ぶことができました。
また、落語家の階級制度や修行についてのことや寄席の符丁についてなど、落語に関する基本的な知識もたくさん知ることができました。
例えば階級の「真打」、落語以外でもよく聞く言葉ですが、その語源をご存知でしょうか。昔はろうそくの明かりで寄席を行っており、最後の人がろうそくの「しん」を打つ、つまり切って消すことから「真打」と呼ぶようになったそうです。
他にも、落語には欠かせない扇子と手ぬぐい、これらを使って、色々なものを表現するときにどのようにしているのか、という部分は実際に実演を交えて教えていただいたので、とても迫力がありました。
刀を表現するときはその長さを目線で表したり、そばとうどんの違いを分かりやすくするために「すする」音を変えたり、目からウロコのお話がたくさんありました。
落語を楽しむ
後半はいよいよ実際にお二人の落語を聞いて楽しみました。演目の内容を書くことはできませんが、お二人の落語を聞いて会場は笑いに包まれ、大いに盛り上がりました。ぜひ、本記事をお読みの方にもお二人の寄席を聞きに行っていただきたいと思います。
落語終了後は、お二人への質疑応答を行いました。ここでもたくさんの質問にお答えいただきましたが、特に印象に残っているのは、寄席の稽古のお話です。昔の寄席では定番の噺をしていればよかったそうなのですが、現在はそれだけでは他の落語家に埋もれてしまうので、ひと月に1席は新しい噺を覚えるようにしているそうです。
そうしたたゆまぬ努力の末に、多くの方たちの笑顔が生まれていることを知り、落語の世界の奥深さを実感しました。
参加者の声
当日ご参加いただいた方からアンケートでいただいたお声の一部をご紹介いたします。
流石噺家さん。語り口が軽妙でとても聞きやすく、内容もとても分かりやすかったです。大満足です。
落語を聞きに行く機会はあっても、歴史やその背景を教えていただけることはないので、楽しく充実したプログラムだったと思います。
地元の噺家さんの落語を聞けたことが何よりでした。増々頑張ってください。
若い二つ目さんの一生懸命さに親しみが持てた。
最初の座学(落語の歴史)を聞けたのは良かった。その後に実際の落語を聞くことで一層イメージが膨らんだ。出演者が若手らしく声にハリがあって良かった。活躍を祈ります。
おわりに
今回の講座は、お二人の落語を楽しむことはもちろん、落語を楽しむための前提の知識や、落語の歴史などを学ぶことができて、非常に奥深い内容となっておりました。また、葛飾にゆかりのある若い噺家さんが講師を務められたということで、講座中は非常に温かな雰囲気に包まれていました。
最後に、講座に参加された皆様、講師の三遊亭吉馬さん、三遊亭仁馬さんに改めてお礼申し上げます。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
文(濱田)