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ニュース番組の舞台裏と話し方

 2022年9月11日(日)、「テレビ局員が教えるニュース番組の舞台裏と話し方講座」を開催しました。
 今回は、テレビ朝日から田邉 美樹 先生にお越しいただき、テレビ局員の視点から、ニュース番組の裏側や心に響く伝え方についてのお話をしていただきました。

1 テレビ局ってどんなところ?

 まずは、テレビ局についての説明から。
 「早朝の4時55分から放送される情報番組のスタッフ(カメラマンや照明さん)は何時に出社しているでしょうか?」という田邉先生の問いかけに、受講者の方から「2時」、「3時」といった答えが上がりますが、答えはなんと「深夜の1時30分」。テレビ局は24時間、ずっと動いているんですね。
 「音楽番組に使用されるマイクの数はなんと80~100本」、「1つの番組につき300人で制作している!」など、田邉先生が明かすテレビ局の真実に、受講者の皆さんも驚きの声を上げていました。

2 気になる「ニュース番組の舞台裏」

 続いて、お待ちかねの「ニュース番組の舞台裏」のお話がスタート。
 3000人もの局員が働くテレビ局の中には、日々のニュースを決める「ニュースデスク(ニュース編成デスク)」があります。
 ニュースの構成は、①災害・事件・事故、②関心があること(現在なら新型コロナウイルス感染症の情報など)、③生活や暮らしに関係あるもの、という順番が基本。ニュースデスクで、記者が集めたニュースを放送する順番が決定されます。

 ニュースにとって大切なことは、「速さ」と「正確さ」、そして「わかりやすさ」。ニュース制作は、時間との戦いだそうです。
 テレビ局では、照明などのセットも、記者も、制作のためのスキルも、24時間スタンバイ状態とのこと。いちはやく正確な情報を届けるため、余念がありませんね。

 たくさんのスタッフの綿密な準備と機敏な判断により、限られた時間の中で、新鮮かつ信頼度の高い情報をわかりやすく伝えるニュース番組が作られているということがわかりました。

3 今日から役立つ「話し方講座」

 ニュース番組の知られざる舞台裏について学んだあとは、「話し方講座」で、心に響く伝え方を教えていただきます。
 メラビアンの法則によれば、人の第一印象が決まるのは3~5秒。第一印象を左右するのは、主に視覚(55%)、そして聴覚(38%)、言語(7%)だそうです。
 好印象を与えるために最強の武器となるのは、「笑顔」とのこと。
 先生から、「電話をしているときに鏡の前に立ってみてください。それが、人と会話をしているときの皆さんの表情です!」と、すぐに実践できるアドバイスもいただきました。
 なお、マスクで表情の見えないコロナ禍でも、「うなずきの徹底」を心掛けることで、安心感や話しやすさをもたらせるとのこと。

 「あいさつをする」、「お礼をいう」など、コミュニケーションの基本となる「あいうえおの法則」などを教えていただいたうえで、「さすがですね」、「すごいですね」といった、コミュニケーションを円滑にする「相づちのさしすせそ」を実践。
 相づちのときは、語尾を上げるのがポイントだそうです。

 最後に、簡単なエクササイズや早口言葉で口元の筋肉をほぐしてから、ニュース原稿を読んでみました。
 実際に使われたニュース原稿なので、書き込みがたくさん。「約」は「100」と聞き間違える可能性があるので「およそ」に修正したり、リハーサルで読み上げきれないと判断した部分を省略したり……、皆さんに正確な情報をお届けするため、臨機応変に対応していることが伝わってきます。
 「チンパンジーの赤ちゃんがお披露目されました」という内容の短いニュースではあるものの、実際のニュースのスピードに合わせて読み上げるのは至難の業。
 田邉先生のリードのもと、繰り返し練習をするうちに、皆さんの声がそろうようになりました!

4 受講者の方のご感想

 「ニュース番組の舞台裏」と「話し方講座」の2本立ての充実した講座でしたね。ここで、受講者の方のご感想を紹介します。

  • 将来メディア関係の仕事に進みたいと思ってるので全てのお話が為になりました。ありがとうございました。

  • ニュースを実際に読むことで、画面とあわせて読む難しさを体験できたことはとても貴重でした!

  • 口の動きを少し練習しただけで、読み方が変わった気がしました。番組作成の裏を知ることで、大変さを知り、今後、番組を見た時に、感謝の気持ちをもって、観ることができそうです。

  • 話し方講座に興味があり参加しました。特に参考になったポイントは、あいづちの「さしすせそ」で、語尾を上げるだけで空気がパッと明るくなるように感じました。早速、実践してみようと思いました。どうもありがとうございました。

 ニュースについて楽しく学び、すぐに活用できるコミュニケーション術も身につけられて、受講者の皆さんも大満足だったのではないでしょうか。

 最後に、この場を借りて、講師を務めてくださった田邉先生に深くお礼申し上げます。

(文・福山)

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