見出し画像

かつしかの伝統工芸「江戸べっ甲 アクセサリー教室」

11月1日~11月15日にかけて、毎週水曜日に3回連続で、かつしかの伝統工芸「江戸べっ甲 アクセサリー教室」を開催いたしました。
本講座は葛飾区認定伝統工芸士の方から、葛飾区の伝統産業を学び、体験を通してその魅力に触れていただく講座となっております。
1回にひとつの作品を完成させ、全3回で3種類のアクセサリーが出来上がりました。
本記事では、そんな講座の様子をご紹介いたします。

第1回 11月1日

今回の講座では、葛飾区認定伝統工芸士の山川金作先生に講師を務めていただきました。

べっ甲の歴史は古く、約100年前の江戸時代初期に、町人文化の台頭とともに櫛やかんざしが作られ日本全国に広がりました。
材料は、主にインドネシアのタイマイという亀の甲です。1973年のワシントン条約採択後、海外からの輸入はできなくなってしまったため、現在残っているものは非常に貴重なものとなります。
さて、1回目の作品は指輪です。
まず形を平打ちかかまぼこ型にするか決めます。先生が2.5mmほどの厚さの指輪を準備してくれているので、サンドペーパーで荒削りして形を整えながら、2.2mmほどの厚さにします。そして機械に研磨剤をつけてさらに細かく削り形を整えます。

先生のOKが出たら、別の機械で磨いてつやを出します。仕上げは先生が指輪の内側を磨いて出来上がりです。
べっ甲は水に弱いそうなので、指輪をはめたままの手洗いや水仕事は注意が必要です。

第2回 11月8日

第2回はペンダントを作りました。
予め先生に用意していただいた涙型のペンダントヘッドの、表面のみにサンドペーパーをかけていきます。角を取りながら滑らかな形に整えます。その後1回目と同じく機械で削るのですが、小指の頭ほどの大きさなので、機械の高速回転で飛ばされてしまい、皆さん苦労されていました。

さらに磨いて両面につやがでたら、先生にドリルで穴をあけてもらい、べっ甲のコネクターと金の鎖をつけて完成です。

第3回 11月15日

最終日はイヤリングまたはピアスです。
1.2回目と同様の手順を経て、先生に金具を付けてもらいます。接着剤で着けるのですが、アンモニアと一緒に置くと早く固まるそうです。
早く作業が終わった人は、根付もやらせてもらいました。

参加者の声

ご参加いただいた方のアンケートから、お声の一部をご紹介します。
・江戸からの伝統を知ることができ、べっ甲の魅力を再認識した。
・べっ甲で、身につけるものを制作できて貴重な体験ができました。
・作品が3つもできて嬉しいです。

終わりに

山川先生のお人柄もあり、賑やかに和気あいあいとした講座となりました。
回を重ねるごとに参加者の皆さん同士で会話が弾み、連続講座ならではと感じられました。
べっ甲は色も柄もひとつとして同じものがないので、皆さん自身で選んだべっ甲を使って、世界に一つだけのアクセサリーができて、とても満足した笑顔が見られました。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

文 佐々木