世界の食文化講座 クリスマス菓子「ベラヴェッカ」を作りましょう
フランスのアルザス地方に伝わるクリスマス菓子「ベラヴェッカ」を知っていますか?
「ベラヴェッカ」は「洋梨のパン」という意味。
洋梨をはじめ、様々なドライフルーツやナッツを洋酒とスパイスに漬け込み、発酵生地でまとめて焼き上げます。
アルザス地方では、クリスマスが近づくとベラヴェッカがお菓子屋さんの店頭に並び、薄くスライスしたものを少しずつ食べながらクリスマスを待つんだそうです。
令和6年11月30日、東京聖栄大学と共催で、そんなベラヴェッカを作る講座を開催しました。
講師は、東京聖栄大学図書館長・健康栄養学部食品学科特任教授の荒木裕子先生。
本格的なフランス菓子ですが、発酵生地、洋酒に漬け込んだドライフルーツなどは予め用意されていたので、それを混ぜ合わせるところからスタート。
スタッフの学生さんたちがサポートしてくれるので、安心して作業を進めることができました。
台の上で素材をこねながら、洋梨、ドライフルーツ、キルシュ(さくらんぼのお酒)選びの先生のこだわりについてのお話も聞けました。
混ざった生地を棒状にまとめると、大きなオーブンへ。
オーブンに入れて焼きあがるまでの時間を使って、改めてベラヴェッカについてや、お菓子作りや食の楽しさについてお話がありました。
旅先で出会ったお菓子の味を家で再現して楽しんだお話や、荒木先生のゼミ生が研究している日本や世界のさまざまなお菓子を試食させてもらったお話など、聞いているだけで口の中が甘くなりそう…。いや、本当に、オーブンのほうから、何とも言えない香ばしく甘~い匂いが漂ってきました。
オーブンに入れてから40分ほどして、ベラヴェッカが焼きあがりました。
熱いうちに刷毛でシロップをぬると、表面はつやつやに。
そこに、ドライフルーツやナッツを飾りつけて、完成です!
先生が用意してくださったスライスしたベラヴェッカ、さらにヴィジタンディーヌというお菓子、そしてぶどうジュース(先生は「本当は赤ワインがいいんだけど…」とのこと)で試食。
ドライフルーツと洋酒の濃密な味わいは、紅茶にも合いますが、確かにワインといっしょにいただくとマリアージュが楽しめそう。お酒とともに濃厚で複雑な味わいと香りを楽しむ、大人のスイーツという感じです。
試食のあとは撮影タイム。写真撮影用のライト、クリスマスの小物や撮影用のお皿など本格的な機材や小道具を使い、それぞれが作ったベラヴェッカをスマホのカメラで撮影していました。参加した方のベラヴェッカを撮らせていただきましたが、本当に美味しそう!
最後に焼きあげたベラヴェッカをラッピング。透明なシートに包んで、カラフルな紐を巻き付けると、そのままプレゼントできそうな素敵な雰囲気に。
同時に、荒木先生からは、食品の包装について詳しいお話もありました。個人のプレゼントではなく「商品」として出すために必要なことや、保存についての考え方など、食のプロの厳しい視点にも触れることができました。
今日焼き上げたベラヴェッカは、冷蔵庫で1~2か月保存ができ、時間をかけて熟成させるとさらにおいしくなるそうです。
これからクリスマスまで、少しずついただきながら、いつもとちょっと違ったクリスマスを迎えられそうですね。
参加者アンケートより
荒木ゼミに入りたい。先生のお話をもっと聞きたいくらい楽しい時間でした。ベラヴェッカもきれいに仕上がり嬉しかったです。食材やお菓子についてのお話も興味深く、充実した時間を過ごせました。
試食のベラヴェッカおいしかったです。ジャスミンティーもおいしかったです。荒木先生の食を楽しむ姿勢、とても学ぶものが大きかったです。食べることを、大切にしたいと思います。ありがとうございました。
荒木先生やスタッフの皆様にご準備頂いて、とても楽しいレッスンを受けることができました。材料集めて、家でも作ってみます。
(文:新井)