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「年金講座 特別インタビュー」-社会保険労務士として知ってほしいこと-

かつしか区民大学「知って、得する年金講座」は平成23年度から毎年2回実施してきており、今年度も令和5年6月10日(土)に、社会保険労務士の辻本悟史ツジモト サトシ先生を講師にお招きして、東立石地区センターにて盛大に開催いたしました。

6月10日に実施した講座の様子です。

今回は、そんな「知って、得する年金講座」を協働で企画・運営していただいている、東京都社会保険労務士会 葛飾支部を代表して、支部長の村澤詩子むらさわ うたこ先生に社会保険労務士のお仕事や区民大学との関わりについて特別インタビューをさせていただきました。

1 社会保険労務士としての仕事や活動

※以下、区=インタビュアー、村=村澤先生、の発言部分を示します

区:本日のインタビューですが、社会保険労務士というお仕事そのものについてと、区民大学講座についてと、2段構えでお話を伺いできればと思います。
まずは社会保険労務士というお仕事について、記事をご覧の皆さまの中にも馴染みのない方がいらっしゃると思うのですが、具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか?

村:私にとって社会保険労務士というのは、会社と、そこで働く従業員の方たちの橋渡しをするお仕事と考えています。
共存共栄という形で、労使がともに支え合いお仕事ができる環境づくりをする、それが社会保険労務士ではないかと思っています。
また、個人の方へは、老齢年金・遺族年金・障害年金という3つの年金制度に関わるお手伝いをさせていただいています。

区:ありがとうございます。次に、東京都社会保険労務士会葛飾支部についてお伺いします。葛飾支部では、社会保険労務士の先生方はどのようなつながりを持って、どういった活動をされているのでしょうか?

村: 私たち東京都社会保険労務士会葛飾支部では、働く人を守る仕組みである年金制度や労働法令の普及活動を行っています。その一環としてかつしか区民大学で「知って、得する年金講座」、小・中学校での「出前授業」を区との共同事業として開催をしています。
学校教育に関しては、支部でチームを作り、学校機関への営業をはじめ、授業の資料作り、講師育成など積極的に活動をしています。このほかにも私たち葛飾支部では、支部事業に対しチーム制で取り組んでおります。

区:学校教育にも力を入れてらっしゃるのが結構意外でした。

村:東京都社会保険労務士会の中で葛飾支部は会員数こそ少ないのですが、活動的に頑張っています。特に、学校教育は力を入れている事業です。
葛飾区内の小学校では、少しずつ年金授業が浸透してきましたが、中学校や高校ではまだまだ社労士として営業が必要です。葛飾支部の社労士の先生方は、熱心に学校側とコンタクトを取り、プレゼンを行い、一校一校丁寧に活動しております。
中学生になると職場体験学習がありますので、そこに私たち社労士が「働くこと」についてより具体的に法律の観点も含めて授業を行っています。働くことの楽しさ、厳しさ、お金を稼ぐということ(給与について)、「社会」とは、、そういう実態を踏まえた授業はよりリアルに子供たちに伝わります。

区:そうした思いがあったのですね。ちなみに村澤先生が葛飾支部長として意識してらっしゃることはありますでしょうか?
 
村:私はこの葛飾支部で社労士として育ててもらいましたので、その恩返しという気持ちで現在支部長職に就いております。
ベテラン先生、新人先生、皆が支部の活動を盛んにすることで、いつでも支部の会員同士が寄り添え、社労士としての生業がたてるよう「寺子屋」的な存在、場所を目指し頑張っています。

2 かつしか区民大学との関わりについて

区:続いて、かつしか区民大学の話に移ります。「知って、得する年金講座」も、今年度6月10日に実施したばかりですが、講師の先生や相談員の先生はどのようにお決めいただいているのでしょうか?
 
村:社労士の中でも、年金マスターといえる先生は正直少ないかもしれません。それだけ奥が深いということです。もちろん有資格者ですから、どの先生でも対応可能です。
しかしながら、年金を得意とするベテランの先生でも常に法改正が伴う私たちの職業は、資格を取った後もなお、皆勉強を継続し続けています。
区で行っている「知って、得する年金講座」の講師選定は、その中でもより向上心を持ち、支部活動にも積極的に参加いただく勉強家の先生を選定させていただいております。相談員の先生方も同じです。


区:社労士の先生方としては、区との連携でこういった年金講座を実施するということをどのように感じていらっしゃいますでしょうか?
 
村:社会貢献活動の一環として考えております。「社会保険労務士」の認知度向上を目指し、子供から大人まで多くの方に社労士を知ってもらいたい、そして、社労士とはどんな仕事をする人なのか、より区民の皆さんの身近な専門家であることを知ってもらいたいと考えております。

区:そうおっしゃっていただいて本当にありがとうございます。
ちなみに、区民大学に参加される方の相談と、普段の定例で行われている相談会などに参加される方の相談とで違いやお気づきになられることはありますでしょうか?
 
村:相談の内容としては同じですが、区民大学に参加される方はご自身でも勉強をされている方が多いように感じます。ご自身の知りたい事として「学び」を意識されているからと思います。

区:では、最後にまとめのご質問です。今後の「知って、得する年金講座の展望として、お考えのことがありましたら、お聞かせください。」
 
村:今後の展望としては、親子で年金を勉強する機会を作ってもらえると良いと思います。
学校教育で小学生の方に年金授業は行っていますが、親子でともに学べる機会を作っていただけると、「葛飾」の未来につながると考えます。年金制度が「家族」を支えあう仕組みであることを共に学べることに大きな意味があると思います。
老齢年金、障害年金、遺族年金について、一緒に考える時間が増えることを願います。

 
区:おっしゃる通り、これからも多方向から考えていくこと大切だと思います。今日も色々なお話をお聞かせいただき、新しい発見もありました。お忙しいところ本当にありがとうございました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。筆者が村澤先生に直接インタビューさせていただいて感じたのは、何よりもその熱意です。専門的な知識を持つ社会保険労務士の先生方のおはたらきが、いかに区民の皆様の日々の生活につながっているかがよくわかりました。
かつしか区民大学では、今回インタビューをさせていただいた社会保険労務士の先生方のほかにも、多くの方たちと連携・協力して講座を開催しております。今後ともぜひ様々な講座にご参加ください。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。

文・質問者:濱田