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地名を謎解けば未来のリスクが見える

 今回は、12月3日に金町地区センターで実施した、かつしか区民大学講座「地名を謎解けば未来のリスクが見える」の様子をご紹介いたします。
 なお、本講座は「かつしか区民大学区民運営委員会」の企画・運営で実施しました。


そもそも、「地名」とは?

 今回は、ティムールジャパン株式会社 代表取締役であり、公認不動産コンサルティングマスター、ファイナンシャルプランナーとしても活躍する中川亮(なかがわ りょう)さんに、地名について教えていただきました。

 ところで、そもそも「地名」とは何でしょうか?
 地名とは、「葛飾区東金町1丁目22番1号」の場合、「東金町」の部分を指すそうです(広い意味では、「葛飾区」も含まれます)。
 なお、「葛飾区東金町1丁目22番1号」というのは、郵便物を正確に届けるため昭和37年から始まった「住居表示」という書き方で、建物の場所を表す「ニックネーム」のようなものです。

地名の起源をたどってみると…

 「○○丘」や「○○台」という地名がついている場所は高いところにあるイメージですが、そうとは限らないようです。
 たとえば、今は「○○丘」、「○○台」という地名でも、起源をたどってみると「窪(凹んだ土地)」や「谷(低い土地)」といった字を含む地名だった場所もあるのだそう。今の地名を見るだけでは、土地の特性はわからないんですね…。

 また、ひとくちに地形に由来する地名といっても、「谷」「山」のように由来がわかりやすい地名もあれば、「袋(水に囲まれた場所)」「赤(関東ローム層の赤土に由来)」など、一見しただけではわからない地名もあります。さらに、地形だけでなく、人名や動植物、用途や社名、商品名まで、地名の由来は実にさまざまです。
 皆さんも、自分が住んでいる街の地名にはどんな由来があるのか気になってきませんか?

「地名ロンダリング」で見えにくくなる未来のリスク

 地名は、時代の変遷とともに、伝承されてきたものから、イメージの良い人工地名に変わることがあります。わかりやすさが優先される住居表示や、開発業者の利益向上や行政主導のイメージアップを目的とした名称変更により、もとの地名とはまったく違うものに変わってしまうそうです。
 中川さんはこれを「地名ロンダリング」と名付けています。「地名ロンダリング」が行われると、未来のリスクが見えにくくなってしまいます。だからこそ、自分が住んでいる/住みたい街の地名を謎解き、特性を理解することが大切なんですね。

葛飾区の地名の「謎」

 葛飾区の地名にも、いろいろな「謎」があります。

 たとえば「青砥駅」は、駅の住所は「葛飾区青戸3丁目36番1号」ですが、文字表記は「青砥」です。これはどちらも由来があり、「青砥」は鎌倉時代の武将・青砥藤綱に由来するもの、「青戸」は船着き場や港を意味する「戸」という字がついている、中川沿いの「旧青戸村」に由来するものだそうです。

 身近な地名の謎が解けると、なんだかわくわくしますね。自分が住んでいる街の地名を調べてみたくなりました!

参加者の声

・潮止橋の意味がわかってよかった。面白かった。
・開発会社や自治体の思惑で地名を変えてしまう地名ロンダリングがおもしろかった。お話がお上手で大変聞きやすかったです。
・昔の地名を知ることがいかに大切かよくわかりました。

おわりに

 住んでいる街の名前のことをよく考えてみると、かつての姿や街の移り変わりが見えてきておもしろいですね! 皆さんも、自分の街や気になる街の名前を調べてみてはいかがでしょうか。

 最後になりますが、講座に参加された皆様、講師の中川亮さんに深くお礼申し上げます。本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(文:福山)


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