防災まち歩き~亀有編~
もしも私たちの住む街が、大地震などの被災地になったら…。
そんなことを考えながら街を歩くと、いろいろな発見がありました。
令和6年12月1日に行われた講座「防災まち歩き~亀有編~」の様子をご紹介します。
講師は、特定非営利活動法人 Hand Over Japanの代表理事・佐藤 純さん。
災害や生活の危機に備え、ネットワークと人材育成を行なうほか、さまざまな支援活動を行っています。
参加者は約6人ずつのグループに分かれます。
まち歩きの進め方についてのオリエンテーションを受けたら、さっそく街へ出かけました。
想像力を持って歩くと、
地域の課題が見えてくる。
「防災まち歩き」では、災害が起きた時のことを考えながら歩き、気づいたことを記録し、一緒に考えます。
「あ、日本語学校がある!」
「災害の時に日本語の情報が伝わりにくい方も多いということかな」
「自動販売機もあちこちにある!」
「しっかり固定されているものはいいけど、倒れそうなものもあるね」
災害時の目線で街を歩くと、地域の課題がいろいろと見えてきました。
いざという時に使えるものが見えてくる。
街の中のこんなサインや設備、見たことありますよね。
普段はあまり気にかけませんが、防災のことを考えながら歩いていると、結構あちこちに「防災資源」があるんだなぁということに気づきます。
いざという時のために、自分の住む街で、どこに、どんな防災資源があって、誰がどう使うのかを知っておきたいな、と思いました。
さらに想像しながら見ると、ほかにも様々な資源があることに気づきます。
スーパーやコンビニは、帰宅困難者の支援や物資の供給を行います。
公衆電話は、災害時でもつながりやすく、停電しても使えます。
公園は避難場所に、学校は避難所に、掲示板は情報の拠点になります。
災害協定を結び、避難場所提供などの支援を行ってくれる企業もあります。
こんなことを考え、話し合いながら歩いていると、この街で被災したら自分はどのようにして生きて行けばよいのかを思いめぐらすようになり、防災が「自分たちの課題」であることをリアルに感じるようになりました。
街の魅力も見えてくる。
こんな格好で歩いていると、地域の方から「お疲れ様です!」と声をかけていただいたり、地元以外の方から道を聞かれたり、とても気さくな街なんだなと改めて感じました。
また、公園の素敵な景色を再発見するなど、街の魅力も見えてきました。
見えてきたものを地図に。
街歩きが終わったら、グループことに、見てきたもの、気づいたことを共有し、それを地図に落とし込んで「防災マップ」を作ります。街の危険な場所、いざという時に使える場所などがまとめられた地図を見ていると、この街で災害が起きた時にどうすればよいのかが具体的に見えてきました。
そして最後に、グループごとにマップを発表。
同じ地域を歩いていても、グループによって視点が少しずつ違っていて、災害時の想像の幅がさらに広がりました。
「防災まち歩き」してみませんか?
今回は亀有を歩きましたが、この講座はこれからも区内のさまざまな地域で行われる予定です。
防災についての知識がなくても大丈夫。さまざまな形で地域の防災活動を行っている方の参加も多く、また、いろいろなボランティア団体と連携し、しっかりサポートしてくれます。
あなたも、災害時の目線で街を歩きながら、自分たちの街の課題や強みを再発見してみませんか?
(文:新井)