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親子のための算数講座「分数」

令和6年9月14日(日)と29日(日)に、 公益財団法人 日本数学検定協会との共催で「親子のための算数講座」を開催しました。
この講座は、かつて 日本数学検定協会の事務所が葛飾区内にあったことがきっかけで共催で行っている公開講座の一つです。

講座はこんな感じで、メインの講師のほか、数人のサブ講師が指導します。

対象は小学1年生・2年生とその保護者。学年別に2コースで行われます。
今回のテーマは「分数」
小学校では2年生で簡単な分数が登場し、3年生で簡単な分数の足し算・引き算を習います。なので1年生にとっては完全な先取り学習。どうやって学習するのでしょうか。

1時間目…「分数」見たことある?

学校でまだ習っていない算数の学習ということで、ちょっと緊張した雰囲気で講座はスタート。
どんな話から始まるのかと思っていたら、実は意外なところで見かけていた「分数」のお話でした。

アニメーション映画「2分の1の魔法」、ハリー・ポッターに出てくる「9と4分の3番線」、昔あった「5/8チップ」というお菓子、「1/200」などの模型のスケール、そしてスーパーでよく見る「キャベツ1/2玉」
なるほど、知らないうちに私たちは「分数」に接していたんですね。
保護者と一緒に「知ってるー!」なんて声を上げているうちに、緊張した雰囲気はなくなっていました。

で、分数って何でしょう?
大人の皆さん、子どもたちに説明できますか? 意外と難しいですよね。

講師の方の説明はこうでした。

  • 1より小さい数を表す時に使う

  • 同じ大きさに分ける

  • 同じ大きさに分けるなら、どんな大きさに分けてもかまわない

もちろん、この段階では1年生の皆さんの頭の中は「?」だと思います。

続いて「何かを同じ大きさに分けたことがある人!」と聞くと、「ピザ!」「ケーキ!」などの声があがります。
それぞれどのようにしていくつに分けたかを聞くうちに、分数の概念が少しずつわかってきます。
ピザを4つに分けた1つが1/4。それが4つだと4/4になり、1と同じになる。
図や教材を使いながらそんな説明を聞いているうちに、分数を今日初めて学んでいる子どもたちもどんどん吸収し、応用できるようになってきました。

2時間目…分数の計算に挑戦!

いろいろな例えを通して分数についてわかってきたところで、いよいよ分数の計算についてのお話です。
分数同士の足し算、引き算について、いくつかの例題を丁寧に解説した後、問題に取り組んでもらいます。

問題を解いている間、サブ講師の皆さんがテーブルを回りながら採点をしたり、アドバイスをしたりしてくれます。
先生の指導の様子を保護者が近くで見るというのもいいですね。家庭で算数を教えるときの参考になると思います。

さらに、メイン講師の方から保護者向けに、小学校、中学校、高校での分数関連の学習内容について説明がありました。計算から始まり、確率、統計…と発展していく様子を聞いて、いま子どもたちが学んでいるのは「データサイエンスの入り口」なんだ、ということが見えてきました。
子どもたちが学んでいることが将来どのように役立つかを保護者が理解することは大事ですが、数学の先生ならではの視点で、分数を学ぶ大切さを知ることができました。

保護者向けの説明の間も、子どもたちは目を輝かせながら問題を解いていました。そして分数の足し算、引き算ができるようになっていました。

3時間目…数学を楽しもう!

続いては、学校で習う算数の問題とはちょっと違うパズル的な要素を含んだ問題や思考力を必要とする問題にチャレンジする数楽 すうがくイベント」を行いました。
奥深い数学の世界とその面白さを感じることができるような問題を、親子で、ああでもない、こうでもない…と話し合いながら問題に取り組んでいるのを見て、いいコミュニケーションの機会になっているなと感じました。

講座を終えて

印象に残ったのは、講師の皆さんが本当に数学が大好きなんだなぁということでした。数学の楽しさを知っている先生に教えてもらったら、算数や数学をもっと好きになれるかも知れませんね。

先生の教え方も上手でしたが、子どもたちが新しい知識を柔軟に吸収している様子にも驚きました。保護者の方からも「うちの子がこんなに集中して勉強しているのを初めて見た!」という感想が。

算数に限らず、こうして様々な世界に触れてもらうのは大切なんだなぁ…と改めて思いました。

参加者アンケートより

(保護者の方)

  • 子供たちの苦手意識をつくらないステキな講座だった。

  • 家庭で教える時の参考になったので親子で参加できてよかった。

  • 数学を専門に研究されている先生の説明はともてわかりやすかった。

  • 講師の先生だけでなく多くのサポートもあり手厚い指導を受けていると感じた。

  • 先取り学習について今後考えるきっかけなった。

(お子さん)

  • むずかしいと思ったが簡単にできてよかった。

  • 花丸がついてよかった。

  • 分数が好きになった。

(文:新井)