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障害のある人が困っていることについて考えてみよう


~はじめに~

 
 障害福祉課では年3回、葛飾区内在住の小学校3~6年生とその保護者向けに、「障害のある人が困っていることについて考えてみよう」という講座を実施しています。講座の開催毎にテーマは異なり、実際に障害のある人が講師となって、実体験を含めたお話をしてくださいます。
 令和5年度に実施した講座について、ご紹介いたします。


令和5年8月27日(日)「障害のある人が困っていることについて考えてみよう」



 障害のある方や高齢者の方などがどのような事で困っているか、また障害当事者である講師の実体験も含めたお話がありました。体験の時間の中では、車いすに乗りながらスロープの上り下りを行うこと、ゴーグルと手袋を装着して文字を見たり、細かい動作をしてみたりといった高齢者体験、アイマスクをして視覚障害のある方の体験、手話、自助具の紹介もありました。
 この講座は夏休み期間中の実施ということもあり、学校の夏休みの自由研究のテーマに活用した参加者もいたかもしれません。
 参加者の感想として、小学生からは「車いすの状態で車に乗ったりすること、障害者のためのいろいろな道具の話がとてもわかりやすくて心に残りました」という声が、保護者の方からは「なんと声をかければ良いか声かけの体験を実際にさせたい」という声がありました。

協力事業所:NPO法人 日本アビリティーズ協会
会   場:青戸地区センター        



令和5年10月22日(日)「耳の聞こえない人の世界を体験してみよう~手話やジェスチャーでコミュニケーションを取ってみよう~」


 聞こえないという事はどのようなことか、コミュニケーション手段も手話以外に指文字・口話などといったものがある、というお話がありました。また、聞こえない人が日常生活で困ることとして、「家にいるのにチャイムの音が聞こえない」「銀行や病院での呼び出しが聞こえない」といった当事者ならではの実体験を踏まえたお話や、手話体験やクイズ、身振りで伝え合うなどのジェスチャーゲームを親子ともに体験してもらいました。
 災害時の対応として避難指示を聞こえない人に伝える時間では、子どもたちが身振り手振りを使いながら試行錯誤している姿がとても印象的でした。
 参加者の感想として、小学生からは「ジェスチャーゲームが楽しかった。」「手話のあいさつを覚えるのが楽しかった。」「身振りの体験を通して、伝えることの難しさが分かった。」という声が、保護者の方からは「親子ともに、学びの多い時間となりました。」「自分では分からない事が非常によくわかりました。」といった声がありました。

協力事業所:NPO法人 葛飾区聴力障害者協会
会     場:ウィメンズパル        



令和6年1月20日(土)「90センチから見える世界を体験してみよう。」


 車いすに乗って、亀有リリオ内館内商業施設での買い物体験、また亀有駅周辺も走行し、車いすから見える景色や普段の生活とどう違うのか、実際に体験してもらいました。講座内では日常生活で車いすを使用している講師の方に対し、参加者の方から「お風呂の時はどうしているのか」などの質問がありました。また、悪天候の際の外出時はどうしているのかといったお話もしてくださいました。
 参加者の感想として、小学生からは「(車いすに乗った買い物体験で)セルフレジを利用しジュースを奥から取ることやレジの位置が高かったので大変だった」「道路が斜めになっていることに今まで気が付かなかった」という声が、保護者の方からは「体験を通して子どもたちの意見が聞けたことが一番良かった。」「実際に体験することで、まだまだ不足していると気が付いた」という声がありました。

協力事業所:NPO法人 日本アビリティーズ協会 
会   場:亀有リリオ館内、亀有駅周辺    


最後に


 小学生とその保護者の方にとって、実際に体験をする時間を通して、どの講座も改めて学び気付くことのできた講座だったと思います。一人一人がちょっとしたことに気づくことが、住みやすいまちや社会に繋がるため、そのような人が一人でも増えてくれたことを嬉しく思います。参加者の皆様、講座実施にあたり協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
 令和6年度以降も年3回講座を実施する予定です。障害のある人のことをお子さんに学んでもらいたいとお考えの保護者にとっては、とても良い機会になると思います。講座の実施日時や場所が決まり次第案内させて頂きますので、皆様のご参加をお待ちしております。

(文:障害福祉課 三上)