子どもの命と体と心を守るために
今年の9月から12月にかけて、葛飾区生涯学習課と、葛飾区内で活動する助産師の団体「NPO法人さんばはうす葛飾」との共催で、「子育てに役立つ生と性のおはなし講座」を開催しました。
今年度は、毎年度開催している乳幼児の保護者向けの講座に加えて、小学生の保護者向けの講座を新たに開講。お子さんのペースに合わせて、「性教育」について学んでいただけるようになりました。
今年度開催した講座の内容を、一部ご紹介します。
自己肯定感をはぐくむ性教育 ~乳幼児の保護者向け~
9・10月は、乳幼児の保護者向けの講座を開催しました。
講師は、葛飾区『こんにちは赤ちゃん訪問』指導員、ハローベビー教室、パパママ学級などを担当し、区内小中学校で「いのちのお話」なども行っている塚本真弓さん。
乳幼児への性教育は、「自分の身体は自分だけの大事なもの」という意識を培うとともに、「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感の向上にもつながるとのこと。
とはいえ、「性教育って、なんだか難しそう…」と身構える必要はありません。「性教育」につながるきっかけは、家族とのやりとりなどの日常の中にもたくさんあります。
たとえば、プライベートゾーンについて。プライベートゾーン(=水着で隠れるところ)は、「自分だけの大切なところ」。
自分のプライベートゾーンは見ても触ってもいいですが、自分以外のプライベートゾーンに触れるときは、家族間であっても断りが必要だそうです。
こういった性教育なら、ご家庭ですぐに始められそうですね。
受講者の皆さんからも、「今からでも教えてあげられることがたくさんあるなと思いました」、「「性教育」とかまえず、ベースは日常から気楽に作っていきたいと思いました」といった声が寄せられました。
乳幼児の保護者向けの講座の内容については、昨年度の実施報告もぜひご参照ください!
自分で自分の人生を選ぶための性教育 ~小学生の保護者向け~
12月は、小学生の保護者向けの講座を開催しました。
講師は、葛飾区内を中心に訪問でのマタニティケア・育児相談・産後ケアを行うかたわら、都内小・中学校や高校で命のおはなしや性教育の授業なども行っている、開業助産師の井出陽子さん。
性に関する情報にも手軽にアクセスできる昨今ですが、情報は玉石混淆。誤った情報を信じてしまったり、誤った知識をもとに行動してしまったりすると、お子さんの人生にも影響してしまうとのこと。
性に関する正しい知識と感覚を養う性教育は、自分や他人を大切にし、自分で自分の人生を選んでいくための教育。すなわち、人権教育だそうです。
小・中学校では、助産師としての経験もまじえながらお話をしているという井出さん。お話を聞いた小・中学生たちは、自然と命の大切さを感じてくれるとのこと。
今回も、ぬいぐるみなどを使いながら、出産時の赤ちゃんの動きを再現してくださいました。
小・中学生たちから寄せられた、「いろいろな工夫をしながらお母さんのおなかから生まれてくる赤ちゃんって、とっても賢いじゃん!」、「がんばって自分を生んでくれたお母さんと、お母さんを支えてくれたお父さんに感謝したい!」という感想には、受講者の皆さんも大きくうなずいていました。
受講者の感想を一部ご紹介します。
命の話も改めてあまり考えることがなかったので、自分としても改めて考えることができてよかったです。出産のことも忘れてしまっていたことがありますが、私も知らなかったこともあり、勉強になりました。性の話は自分だけでは自信なかったので、いろいろアドバイス聞けて良かったです。
安心して子育てできることと繋がる大事な教育だと思うので、区をあげて頑張っていただきたいです。
人の命や尊厳について改めて考えることができました。娘とも向き合っていきたいと思います。
申し込み受付中の講座をご紹介します!
現在、井出さんによるオンライン講演会「自己肯定感を高める子育て~我が子に教える命の教育~」の申し込みを受け付けています。
詳しくはこちら。
また、調布市で性教育・LGBT教育を行っている助産師の棚木めぐみさんによる、かつしか区民大学特別講演会「性と生き方の多様性~性は人と同じじゃなくってもいいんだよ~」の申し込みも受け付けています。
当事者が抱える悩みやエピソードなどを交えたお話で、当事者を取り巻く現状や、子育て・教育の現場における考え方なども学べる講演会となっております!
詳しくはこちら。
受講希望の方は、リンク先の募集ページをご確認のうえ、お申し込みください!
(文:福山)