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乳から見える世界いろいろ! ―乳の七変化、チーズの観察―

 2023年の夏休みに親子向け講座として開催した「東京聖栄大学連携講座2023 食品の科学シリーズ おいしく変身!食品加工の不思議 ―つくって観察してみよう―」では、東京聖栄大学の先生方が、自由研究に役立つ「食品加工」の不思議について教えてくださいました。

 今回は、第2回「乳から見える世界いろいろ!」の講座の様子をご紹介します。講師は、東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 教授の谷本 守正たにもと もりまさ先生です。

「乳」と聞いてイメージするものは?

 まずは、今回の主役である「乳」について、受講生の皆さんで考えてみました。
 「『乳』と聞いて、何をイメージしますか?」という谷本先生の問いかけに、「牛」や「牛乳」、「チーズ」、「赤ちゃん」など、様々な意見が出てきました。

 第1回で酸乳飲料を作るのに使ったヨーグルトも乳製品ですが、ほかにもバターやアイスクリームなど、私たちの身の回りには、実にいろいろな姿の「乳」が存在しています。
 今回は、そんな「乳」を様々な角度から観察してみました。

牛乳やチーズ、バターを作って観察してみましょう!

 まずは、先ほどの問いかけでも出てきた牛乳を観察してみました。
 水に牛乳を加えた液体にレーザー光を当ててみると、小さな粒が見えます。これは牛乳の中に含まれている「カゼインミセル」という粒子だそう。このように、いつも飲んでいる牛乳でも、よく観察すると普段と違った姿が見えてきますね。

 第2回の実習では、さまざまな乳製品のうち、バターと水切りヨーグルト、そして牛乳をお酢で固めて作るチーズ「サンモッツァ」を作ることに。 

温めた牛乳にお酢を入れて、「サンモッツァ」を作ります

 バターは、会場の受講生が協力して生クリームの入ったペットボトルを振って作りました。最初は液体が波打つ音がしていたペットボトルから、塊がぶつかるような音がしてきて、受講生の皆さんの顔にも期待が浮かびます。
 ペットボトルを開いてみると、そこにはバターが!
 残った液体の部分はバターミルクといい、こちらもおいしくいただけるそうです。

 続いてはチーズ(サンモッツァ)作り。ノンホモ牛乳(生乳の脂肪分を細かくする処理をしていない牛乳)を温めてからお酢を入れて待つと、次第に白い塊ができてきました! これがモッツァレラチーズのもと。受講生の皆さんも、ワクワクしながら鍋の中を覗き込んでいました。

 できあがったチーズは、トマトスープに浮かべていただきました。
 水切りヨーグルト作りの過程ででできた「ホエイ」を使って作ったコクのあるスープには、できたてのチーズがぴったり。皆さんも、おいしそうに食べていました。

※ホエイ(乳清)…牛乳を凝固させたときに残る、半透明の液のこと。「ヨーグルトの上澄み液」というと、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

受講生のご感想

 盛りだくさんの内容で、会場の皆さんは終始ワクワクの様子でした。
 アンケートでも、いろいろなご感想を寄せていただきました。ここでは、その一部をご紹介します。

  • 牛乳はいつも食べてるのにバターのような味になったり、どろどろになったり、不思議なことがいっぱいあった。

  • クリームを振るとバターになるって初めて知った。

  • 牛乳はいろいろな料理に応用できると思いました。

  • 普段からチーズやヨーグルトをよく口にするのでどうやって作られているかを学ぶことができてよかったと思います。

おわりに

 さまざまな姿に変身する「乳」は、自由研究にもってこいのテーマだと感じる講座でした! 
 受講生の皆さんも、十人十色の「乳」の自由研究をしてくださったのではないでしょうか。

 次回は、第3回「ふんわり、ふわふわ!ふくらむ不思議」の様子を紹介します。お楽しみに!

(文・福山)

 

 

 
 

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