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焼くとおいしくなる不思議 ―”色白”パイナップルケーキ―

 2023年の夏休みに親子向け講座として開催した「東京聖栄大学連携講座2023 食品の科学シリーズ おいしく変身!食品加工の不思議 ―つくって観察してみよう―」では、東京聖栄大学の先生方が、自由研究に役立つ「食品加工」の不思議について教えてくださいました。

 今回は、第4回「焼くとおいしくなる不思議」の講座の様子をご紹介します。講師は、東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科の荒木 裕子あらき ひろこ先生です。

パイナップルケーキを作ってみましょう!

 焼き色が薄い”色白”パイナップルケーキを作ります。荒木先生によるデモンストレーションを参考に、実際に皆さんもパイナップルケーキ作りを行いました。

 よく冷やして扱いやすくしたケーキ生地を広げたら、パイナップルあんを中に入れていきます。今回は、新鮮なパイナップルのおいしさが詰まった、荒木先生お手製のあんを入れました。さらに、ご家庭でお手軽にパイナップルケーキを作りたいときのために、白あんとドライパインで作るあんの作り方も教えていただきました。

 丸く整えたら、月餅用の型で成型します。もちろん、丸くしたり四角くしたりしても、おいしく焼きあがります!

 成型後はオーブンへ。150度で、25~30分、じっくり焼いていきます。どんなパイナップルケーキが焼きあがるか、とても楽しみですね!

オーブンの中で起こっている不思議な反応

 パイナップルケーキの焼き上がりを待つ間、オーブンの中で何が起こっているのか、大学の先生に教わりました。

 「オーブンに入れて焼くと焼き色がつくのはなぜでしょうか?」という荒木先生の問いかけに、「焦げているから?」「でも、焦げたときとは違う香りがするような…」と考え込む受講生の皆さん。
 荒木先生によると、オーブンの中で、アミノ酸と糖が「メラノイジン」に変わる「メイラード反応」が起き、焼き色や香ばしい香りが生まれているとのこと。
 この反応によって、パイナップルケーキだけでなく、ショートブレットクッキーやカヌレ、タルトなども、香ばしく焼きあがるのです。

パイナップルケーキを食べたり、包んだりしてみましょう!

 焼きあがったパイナップルケーキを食べてみると、さくさくほろほろのケーキ生地と、甘酸っぱいパイナップルあんがベストマッチ。月餅のような形と控えめな焼き色も上品ですね。

 さらに、今回は、パイナップルケーキのラッピングもしてみることに。
 ビニールにパイナップルケーキと作った人や日付を書いた「食品表示」を入れて接着し、好きな色のリボンを結べば、自分だけのパイナップルケーキの完成です!

受講生のご感想

 特別なパイナップルケーキが完成して、受講生の皆さんも大満足の様子でした。
 アンケートでも、たくさんのご感想を寄せていただきました。ここでは、その一部をご紹介します。

  • 型で、形をとるのが難しかった。作ることが好きなので、すべて楽しかった。またやってください。

  • お菓子を作っているところが見れたり、自分で作ったのが楽しかった。

  • お菓子を作ることは、手間をかけて作っておいしくさせることだけど、その手間が味に変わっているのがいいと思いました。

  • パイナップルケーキ、知ってはいましたがあんなに美味しいとは!人気が出るのも納得。パインが安く手に入ったら挑戦します。

おわりに

 お菓子作りに欠かせないオーブンの中で起きている「不思議」を楽しく学べましたね。たくさんのお菓子のおいしさにつながっている「メイラード反応」、お菓子好きの皆さんの自由研究にはぴったりのテーマではないでしょうか。

 「東京聖栄大学連携講座2023 食品の科学シリーズ おいしく変身!食品加工の不思議 ―つくって観察してみよう―」の紹介・報告記事は今回でおしまいです。全4回の記事をお読みくださり、ありがとうございました! 

(文・福山)

 

 

 
 

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