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ふんわり、ふわふわ!ふくらむ不思議 ―蒸しパン作りに挑戦―

 2023年の夏休みに親子向け講座として開催した「東京聖栄大学連携講座2023 食品の科学シリーズ おいしく変身!食品加工の不思議 ―つくって観察してみよう―」では、東京聖栄大学の先生方が、自由研究に役立つ「食品加工」の不思議について教えてくださいました。

 今回は、第3回「ふんわり、ふわふわ!ふくらむ不思議」の講座の様子をご紹介します。講師は、東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 講師の篠原 優子しのはら ゆうこ先生です。

ふわふわの蒸しパンを作るには?

 今回の主役は、ふんわりと柔らかくておいしい蒸しパン。篠原先生と一緒に、蒸しパンに隠された食品加工の秘密に迫りました。
 小麦粉や牛乳、砂糖を混ぜてもったりした生地が、ふわふわに蒸しあがるのは、いったいなぜなんでしょうか?

 その理由は「膨張剤」にありました。膨張剤には、炭酸ガスや水分で生地をスポンジ状にふくらませる力があります。この力のおかげで、蒸しパンはふわふわの仕上がりになるんですね。

 篠原先生がデモンストレーションで使った膨張剤は、重曹でした。掃除などに使われるイメージもある重曹ですが、食用の重曹を入れて蒸してみると…?
 なんと、ふんわりふくらんだ蒸しパンができあがりました!

 さらに、代表的な膨張剤であるベーキングパウダーと、重曹の違いの観察もしてみました。触ってみたり、お湯を加えたり、pH試験紙に溶液を垂らしてみたり…。
 観察してわかったことを書き出してみると、一口に膨張剤といっても、それぞれ違った特徴を持っていることに気づけました。

2種類の蒸しパンを食べ比べてみましょう!

 いよいよ、家族やほかの受講生と協力して、ふわふわの蒸しパンを作ります。
 今回受講生の皆さんが使った膨張剤は、ベーキングパウダー。小麦粉と合わせてふるい入れ、生地を作っていきます。

 湯気の立つ蒸し器に入れて蒸したら、ふわふわにふくらんだ蒸しパンの完成です!
 ところで、ベーキングパウダーを入れて作った蒸しパンと、重曹を入れた蒸しパンを比べてみると…、なんだか色が違いますね!

 実はベーキングパウダーは、重曹を使いやすく改良したものだそう。そのためか、ベーキングパウダーで作った蒸しパンは、ふんわりと優しい白色でとってもおいしそうに見えます!
 異なる膨張剤で作った2種類の蒸しパンには、香りや味など、ほかにもおもしろい違いがたくさん。受講生の皆さんも、「どんな味がするかな?」「どっちが好きかな?」と話しながら、楽しく蒸しパンを食べていました。

受講生のご感想

 ふんわりふくらむ理由を知ってから食べる蒸しパンは、いつもよりも特別な味がしますね! 受講生の皆さんも、できたての蒸しパンを食べて大満足の様子でした。
 アンケートでも、たくさんのご感想を寄せていただきました。ここでは、その一部をご紹介します。

  • 蒸しパンが好きで実験で比べられたのもよかった。私は実験が好きだから、めっちゃよかったです。

  • いろいろな工夫や、膨らむ理由が知れてよかったです。

  • 観察してみての違いを自由研究にしたいです。説明がわかりやすかったです。

  • 子どもが自ら家でもやってみたいと言ってくれた。私自身も参考になりました。

おわりに

 実験に、実習に、と、自由研究のヒントがたくさんの講座でしたね。まだまだ奥が深そうな「ふくらむ不思議」を学んだ受講生の皆さんが、どんな自由研究を完成させたのか気になるところです!

 次回は、第4回「焼くとおいしくなる不思議」の様子を紹介します。お楽しみに!

(文・福山)

 

 

 
 

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