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将来いくら受け取れる?知っておきたい年金の仕組み

20歳になると加入が義務付けられ、誰にとっても身近な“年金制度”。しかし、仕組みが複雑で「どんな制度なのかよくわからない」という方も少なくありません。“人生100年時代”と言われる現代において、私たちは年金制度をどのように活用すればよいのでしょうか。

2022年2月に開催した、かつしか区民大学「知って、得する年金講座」では、社会保険の専門家である“社会保険労務士”による「年金制度の解説講義」と「個別相談会」を行いました。その様子と内容の一部をご紹介します。

かつしか区民大学「知って、得する年金講座」

年金制度を解説してくださったのは、社会保険労務士の田島たじまとおる 氏。

田島講師プロフィール画像

田島たじまとおる

Zoomを使って、講義のライブ配信も行いました。
講義内容の一部をご紹介します。

受け取り始める時期によって年金額が変わる!?

日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の“2階建て”と言われており、原則65歳になると老齢年金を受け取ることができます。しかし、年金の受給開始時期を変更することで、受け取れる年金額が変わってくるそう。

繰り下げのイメージ

老齢年金の受給開始時期を遅らせることを“繰り下げ”といい、1か月の繰り下げにつき、受け取れる年金額が0.7%増額されるとのこと。現在は受取開始年齢を最大で70歳まで繰り下げることができ、その場合、受給額が42%増額されるそうです。(下表参照)

さらに、令和4年4月の法改正後、昭和27年4月2日以降に生まれた方は、受給開始年齢を最大で75歳まで繰り下げ、受給額を84%増額することができるようになるそうです。

繰り下げ

一方で、老齢年金の受給開始時期を早める“繰り上げ”を行うと、1か月につき0.5%減額され、最大の60歳まで繰り上げた場合、受給額は30%減額されるとのこと。なお、令和4年4月の法改正後、昭和37年4月2日以降に生まれた方は、1か月あたりの減額が0.4%に変更になるそうです。

“繰り下げ”や“繰り上げ”による受給額の増減は一生涯続くそうです。
そのほかにも、65歳より前から受け取ることができる“特別支給の老齢厚生年金”や、働きながら受け取る“在職老齢年金”、一定の要件を満たす配偶者がいる場合に受け取ることができる”配偶者加給年金”などについて教えていただきました。

個別相談会を行いました

後半は、東京都社会保険労務士会所属の社会保険労務士の方々が相談員となり、“個別相談会”を実施。

個別相談

個別相談会の様子

個別相談は希望制でしたが、会場にお越しの方の約半数が参加され、年金記録をもとに、将来の年金の受け取りや、年金に関する疑問について相談されていました。

参加者の声

参加された皆様からは「将来の参考になった」「ピンポイントにまとまっていてわかりやすかった」と好評でした。個別相談についても「丁寧に対応してもらえて良かった」という声をいただきました。

田島講師のYouTubeチャンネル

今回の講座で年金制度を解説していただいた田島講師は、YouTubeでも年金に関する情報を発信されています。動画をご覧になりたい方は、以下のリンクから田島講師のチャンネルにアクセスできます!

年金チャンネル

年金チャンネル 社会保険労務士 田島 透 - YouTube

講座を終えて

かつしか区民大学「知って、得する年金講座」の様子をお届けしました。この講座は当初、令和3年6月に実施を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で長らく延期していたもので、今回無事に開催できたことに担当者としてまずはホッとしています。

20代の筆者にとっては「年金をもらうのは遠い将来のこと」という感じがしていたのに加えて、年金制度は複雑で「とっつきにくい」という印象もありました。しかし、田島講師のお話を聞いて、年金制度をよく知ることが、将来設計をする上でも大切だと感じました。

この記事が皆様にとって年金に興味を持つきっかけになれば何よりです。最後にこの場を借りて、講師を務めていただいた田島講師、個別相談で相談員を務めていただいた社会保険労務士の皆様にお礼申し上げます。

(文:西部)

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