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かつしかの伝統工芸「手描友禅 オリジナルシャツづくり」

6月7日~6月21日にかけて、毎週水曜日に3回連続で、かつしかの伝統工芸「手書き友禅 オリジナルシャツづくり」を開催いたしました。
本講座は葛飾区認定伝統工芸士の方から、葛飾区の伝統産業を学び、体験を通して、その魅力に触れていただくために実施しております。
今回も全3回の工程で素晴らしい作品がたくさん生まれました。
本記事では、そんな講座の様子をご紹介いたします。

第1回 6月7日

今回の講座の講師をお務めいただいたのは、葛飾区認定伝統工芸士の兵藤修ひょうどう おさむ先生です。兵藤先生は東京手描友禅の職人としてご活躍されており、葛飾区内にも工房をお持ちでいらっしゃいます。
講師と東京手描友禅については、葛飾区伝統産業館のHPに詳しい情報が載っていますので、ぜひこちらもご覧ください。

そして第1回は、シャツを染料で染め上げる、浸染しんぜんという作業を行いましたが、これがなかなかに楽しい作業でした。というのも大きなボウルで沸騰させたお湯の中へ染料と塩を入れた液体に、シャツを入れて煮込むように染めていくのです(塩を入れることで染料の食いつきが良くなり、短時間でよく染まるようになるそうです)。それぞれの染料ごとに色が違うのはもちろんのこと、煮込む時間や水の量などでも鮮やかさが変わり、奥深さを感じました。

浸染では、染めない部分も重要でした。染めないところはタコ糸で縛って、上からビニールを被せてさらに縛ります。
染めあがったシャツを干している様子です。もう完成したかのような達成感がありましたが、まだまだこれからが本番なのです。

第2回 6月14日

第2回は、第1回で染め上げたシャツに、それぞれオリジナルのデザインで絵付けをしていきました。まさに手描友禅のメインの部分です。

この絵付けの作業は一人ひとりオリジナルのデザインになるということもあり、皆さん時間をかけて、悩みながら思い思いに描いていました。
また、絵付けは筆で描いていたのですが、線がにじまないように描くことが難しいポイントのようでした。染料には「泣き止め」という、染料のにじみ止めを混ぜて描くのですが、それでもにじんでしまうので、皆さん筆を細く尖らせて繊細に描いている様子が印象的でした。
そして、今回の絵付けの後は、本来は布地を蒸す作業(染料を布地に定着させるために行う)があるのですが、なんと今回は講師の兵藤先生が、ご厚意で参加者全員の蒸しを行ってくださいました。

皆さんすごい集中して絵付けをしていたので、写真を撮るのも緊張しました!

第3回 6月21日

最終回は、布地を水に浸して、余分な染料や泣き止めなどを落とす「水元みずもと」を行いました。水元を行うことで落ち着いた色に仕上がるのだそうです。

水元を行ったあとは、作品を持ち帰るために外でシャツを乾燥させました。その間、皆さんそれぞれの作品を見て感想を伝え合うなど、良い交流の時間になり、最後は講師の兵藤先生を囲んで皆さんで集合写真も撮りました。たくさんの素敵な作品が完成して、皆さんの笑顔があふれていました。

参加者全員がオリジナルのシャツを作ることができました!

参加した皆さんの声

講座に参加された方からは、絵付けは難しい部分もあったものの、とにかく「楽しかった」、「面白かった」というお声をたくさんいただきました。
また、「もっと友禅の話を聞きたい」、「今度は天然染料でやってみたい」など、今後への意欲を感じさせる声も多くありました。

おわりに

今回の講座で非常に印象的だったのは、講座の工程ももちろんですが、何よりも皆さんが笑顔で楽しんでいる様子でした。兵藤先生も親しみやすい雰囲気で教えてくださり、とても充実した連続講座になったと感じました。
改めて、今回講座にご参加いただいた皆様と講師の兵藤先生に御礼申し上げます。
そして、「かつしかの伝統工芸」はなんと秋(11月頃)にも開催予定です。詳細は広報かつしか等でお知らせする予定ですので、ご興味のある方は、次回もぜひお申し込みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

文 濱田

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