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学んで見て触れて 陶器の魅力再発見

皆さんは普段、陶器に触れる機会はありますか。
今回は、4月8日に金町地区センターで実施した、かつしか区民大学講座「学んで見て触れて 陶器の魅力再発見」の様子をご紹介いたします。
なお、本講座は「かつしか区民大学区民運営委員会」の企画・運営で実施しました。

陶器の歴史を知ろう

今回の講座の講師をお務めいただいたのは、陶芸家の坂本明子サカモトアキコ先生です。坂本先生は葛飾で40年間、陶芸家として活動され、現在は都立山吹高校で生涯学習として「陶芸」の講座も担当されるなど、第一線でご活躍中の方です。

坂本先生からは、はじめに陶器の歴史についてご講義いただきました。日本のやきものは、今から約1万2000年くらい前の縄文時代に縄文土器として始まったそうです。そして縄文土器は時期によって、草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の全6期に区分されており、それぞれに特徴が異なっています。講座では、中期の「火焔土器」が写真で紹介されましたが、燃え上がるような装飾が何とも独特の雰囲気でした。
弥生時代の中期以降には、ベンガラ¹で赤く彩色した土器が見られるようになってきて、後期には今の時代から見てもモダンなデザインのものが増えてきたとのことです。
※1.土からとれる酸化鉄で、赤い顔料のこと。

窯についてのお話では、古墳時代にはそれまでの単窯から、朝鮮半島から伝えられた登り窯²が登場したことで、より効率的に高温で焼くことができるようになったそうです。そして高温で硬く焼き締められた須恵器は、それまでの土器とは性質の異なるものになったということでした。
また、釉薬³についても、最初は人工的に作られたものではなく、窯の中で土器に降りかかった灰が高温で溶けて釉薬の効果を発揮していたのがはじまりだったというお話がありました。
ここでは紹介しきれませんが、ほかにも陶器の歴史について、様々なお話をしていただき、講演後の質問にも気さくに答えてくださいました。

※2 いくつもの窯が階段状に連なっており、単一の窯よりも保温や温度管理に長ける。
※3 陶磁器の表面に付着したガラス質のこと。釉薬で覆われた部分は丈夫で汚れを通しにくくなる。

陶器を見る、陶器に触れる

講義のあとは、3グループに分かれて、坂本先生の作ったお茶碗で実際にお茶を飲んでみたり、陶器の写真集を眺めたり、坂本先生の解説の下で同日に金町地区センター5階で行われていた作品展を鑑賞したりしました。
限られた時間ではありましたが、まさしく、陶器を「見て」、陶器に「触れて」濃密な時間となりました。

先生の作られたお茶碗です。こちらで皆さんもお茶を飲みました。
作品展鑑賞の様子です。皆さん熱心に先生のお話を聞いています。
作品展には先生の作品もありました。とっても素敵ですね!

参加された方の声

ここで、実際に参加された方の感想の一部をアンケートからご紹介いたします。

  • 陶器の全体を知ることができ、これから陶器に接する楽しみを知りました。ありがとうございました。

  • 講座を受け、もっと知りたい・・・ものづくりは楽しいので・・・入口への案内、ありがとうございました。

  • 冷まし方によって色の出方が違うなど興味深い話を聞けて良かったです。まだしばらくは難しいですが、いつか焼き物を見て回りたいと思いました。

  • 先生の体験したお話はとても楽しめた。

まとめ

陶器の魅力、それは一口に語りきれるものではなく、長い歴史の中で育まれてきたものだということがわかりました。もちろん、今回の講座だけで全てを理解できるわけではありませんが、これからもっと陶器について学びたくなる、そんなきっかけとなる素晴らしい講座でした。
最後に、本講座に参加された皆様、講師の坂本先生、講座を企画された区民運営委員の皆様、記事をお読みいただいた皆様にお礼申し上げます。
ありがとうございました。

文 濱田





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