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子どもの自己肯定感を高める子育て

葛飾区生涯学習課と葛飾区内で活動する助産師の団体「NPO法人さんばはうす葛飾」との共催で、毎年度、子育て中のパパ・ママ、子育て活動をしている方、テーマに関心のある方向けの講演会「子どもの自己肯定感を高める子育て~我が子に教える命の教育~」を開催しております。
令和4年度も、3年度に引き続きオンライン(生涯学習課公式YouTubeチャンネルでの限定公開)での開催をいたしました。

講師は、令和4年度の「子育てに役立つ生と性のおはなし講座」(12月)および毎年自己肯定感講演会の講師を務めてくださっている、井出 陽子いで ようこさんです。

自己肯定感とは

自己肯定感とは「ありのままの自分を受け止め、自己の否定的な側面も含めて、自分が自分であっても大丈夫」という感覚のこと。「そのままの自分でいい」「生きているだけで価値がある」「自分は自分」などの、自分を大切に思う気持ちが自己肯定感と言われています。自己肯定感が低いと、問題行動に繋がったり、人生に目的が見つけられなかったり、命を大事にしなかったりしてしまうそうです。

自己肯定感を高める3つのステップ

自己肯定感を高めるステップとして「見つめ合う」「一緒に見る」「一緒にやる」の3つが挙げられるそう。

周りの大人と「見つめ合う」ことで二人の間に感情が生まれ、絵本などを「一緒に見る」、運動などを「一緒にやる」ことで感情を共有する、これらが自己肯定感の土台となるそうです。
ですが、これらを1回やっただけでは自己肯定感が上がるわけではなく、積み重ねることが大事とのことで、井出さんは分かりやすくミルクレープで例えくださいました。

体験=ミルクレープの生地、感情=クリームだとして、3つのステップを”体験”すると、嬉しいや楽しいという”感情”が重なります。これを何回も積み重ねるとミルクレープのように厚みが増し、これが自己肯定感の土台となるそうです。

また、こういったコミュニケーションの他に、抱っこやマッサージなどのスキンシップを取ることも大事だそうです。子どもの脳と皮膚はとても近い関係にあるため、皮膚の快・不快が、直接脳の快・不快に繋がるとのこと。なので、たくさんスキンシップを取り、小さいうちから快の状態を多くして脳を心地よくする、これも自己肯定感を高めることに繋がるそうです。

まずは親が生き生き過ごすこと!

最後に、「まずは、親がいきいき過ごすこと。親が自分を大切に思っていないと、お子さんに優しくすることは難しいです。なので、まずは自分の体と心を大事にしましょう。そして、親になったんだから頑張らないと!親だから我が子のことなんでも分かるはず!なんてことはありませんので、1人やご夫婦だけで頑張らず、周りを巻き込んで育児をしましょうね。」とお話ししてくださいました。

ご参加いただいた方の声

  • とても素敵なお話でした。自分の出産時のことを思い出しました。「人は産まれて生きているだけで価値がある存在」と言う言葉は多くの人に聞いて欲しいと思いました。

  • 大変心に響くお話でした。忙しく流れるように毎日が過ぎていますが、娘と笑顔で暮らせていることに改めて感謝することができました。

  • 私自身が自己肯定感が低い方なので、子どもの自己肯定感を高めるって難しいと思っていました。でも、家庭を安心できる居場所にする事やスキンシップをたくさん取る事、生まれてきた時の話をしながら気持ちを伝える事はできると感じ、やってみたいと思いました。

  • タイトルを拝見したときは、命のお話と自己肯定感、どう繋がるのかな?と思っていましたが、講演を聞いてすごく納得感がありました。ひとつひとつの尊い命を傷つけてはならない、なぜなら人は産まれて生きているだけで価値がある存在だから。我が子もこの言葉をスッと受け止められるような子に育てたいと思います。

皆さまからいただいたご質問とその回答をご紹介します

皆さまからいただいたご質問につきまして、講師からの回答をご紹介します。

1.外見、容姿や金銭的親ガチャなどの運で、自己肯定感を見出せないお子さんがいます。いつもその事で文句ばかり言っているそうです。実力より運って考えが風潮のようで、戸惑っています。
⇒もしかしたら、そのお子さんなりの困っている表現なのかもしれませんね。子どもや思春期の頃は自分の気持ちを素直に表現することも難しいですし、そもそも自分の気持ち自体もはっきり理解してないかもしれません。周りの大人がその子の自己肯定感を高められるような関わりをし、長い目で見守ってあげていけるといいのではないかと思います。
 
2.基本的自尊感情は大人になってからでも膨らませると聞きましたが、少し具体的に伺いたいです。
⇒講座の中でお話した3原則を大人もやってみてください。相互作用で成り立っているものなので、我が子の自尊感情を高めながら親自身も高まっていくはずです。もちろん大人同士でも構いません。信頼できる相手と一緒に何か見たりやったりしてみてください。時間はかかるかもしれませんが、大人になっても自尊感情は高めることが出来ます。他には、あなたの話を否定せず聞いてくれる人や場所を探すのも良いかと思います。誰もいなければ専門家を頼ってくださいね。

たくさんのご感想、ご質問ありがとうございました。

今年度も講演会を開催予定です!

自己肯定感に関する講演会、生と性のおはなし講座は、毎年かつしか区民大学で開催しています。広報かつしかに募集記事を掲載しますので、ご参加を心よりお待ちしております。

(文:卜部)




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