ジュースが固まる不思議 ―キラキラゼリー2種とキャロットムース―
夏休みに親子向け講座として開催した「東京聖栄大学連携講座2022 調理の科学シリーズ ぷるぷる・とろとろ固まる不思議 ―夏のひんやりデザート―」では、東京聖栄大学の先生方が、小学生にもわかりやすく「調理の科学」について教えてくださいました。
今回は、第2回・第3回「ジュースが固まる不思議」(8月4日・5日)の講座の様子をご紹介します。講師は、東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 准教授の𠮷田 光一 先生です。
1 固まる不思議の正体は?
第1回と同様、初めに「ぷるぷる・とろとろ固まる不思議」について学びました。
固まるまえの状態を「ゾル」、固まった状態を「ゲル」といいますが、卵のようにそれ自体が固まって「ゲル」になるものと、ゲル化したいものに混ぜて使う「ゲル化材料」があるそうです。
「ゲル化材料」(ゲル化剤)にもいろいろな種類があります。今回の講座で使うのは「粉ゼラチン」と、海藻原料のゲル化剤である「アガー」です。
2 キラキラゼリーとキャロットムースを作ります!
𠮷田先生に作り方を教えていただき、いよいよ調理実習が始まります。作るのは、グレープジュースとライチジュースを使ったゼリーと、生クリームとゼラチンで固めるムース・オ・キャロット。
美味しく作るためには、ジュースの味に合わせて、砂糖の量を変えて甘さを調整したり、レモン汁で酸味を加えたりする必要があること、ジュースとゼリーでは甘さの感じ方が違うことを学びました。レシピの分量には、ちゃんと意味があるのですね。
また、ゼラチンとアガーでは透明度も違いますし、固まる温度が違うので、口溶けにも差があります。作りたいデザートによって、どのゲル化剤を使うか考えるのも、ワクワクしますね。
ゼリーの表面に泡ができてしまったら、アルコールスプレー(食品添加できるもの)をかける、というワザも教えていただきました。泡がパッと消える様子は、まるで魔法のようです!
3 受講者のご感想
がんばって作ったデザートは、美味しさも格別です!会場には笑顔があふれました。受講者アンケートの一部をご紹介します。
みんなで協力して、カップにゼリーを入れたり、ゼラチンが固まってひっくり返しても取れないところが面白かった。
混ぜて固まる瞬間や、沸騰したところが観察できた。
混ぜれば混ぜるほどとろとろしてきて、混ぜる前と姿が全然違うから変身したみたいで面白かった。
料理を科学的に考えたことがなかったので、新発見がたくさんありました。
新しい食材、メニューを知ることができた。
プロの方のお話、実演を経験でき、よい機会となりました。
普段使わない材料なども、「何からできているか」など分かりやすく教えてもらえて良かったです。
楽しんで参加してくださった様子が、よく伝わってきますね。
次回は、8月8日に開催した「ゼラチン・寒天が固まる不思議」の様子をご紹介します。お楽しみに!
(文・金子)