点字体験 ②点字を知る
東京都立葛飾盲学校で行われた公開講座「点字体験~点字の基礎を学び、点字を使ってみよう~」。続いては、葛飾盲学校の丹羽先生から「点字の基礎」のお話でした。
点字の歴史
点字はフランスで生まれました。
軍隊で、暗闇の中でも読むことのできる暗号用の文字として使われていました。
1820年代、パリ盲学校のルイ・ブライユは、これを視覚障害者用の文字に改良。1文字を6つの点で表すという、現代の点字が登場しました。
1890年(明治23年)、石川倉次はこの6つの点をつかって日本語のカナを表す配列を考え、日本の点字ができあがりました。
なぜ指で読むのか
人間が受け取る情報の約8割は視覚から…とよく言われますが、視覚障害者は視覚以外の感覚を使って生きています。点字はその中で「触覚」を使った文字です。
体を2箇所同時に触られたとき、距離が離れているとそれが2つだと判別することができます。指先はそれを最も細かく判別できるため、点字を読む時は指を使うのです。
ただ、点字を指で触れてみるとわかると思いますが、指先でも簡単には読めません。指先で点字を読むには「指を鍛える」必要があります。
盲学校では時間をかけて「指を鍛える」ための様々な指導を行っていて、そのための教具や教材も見せていただきました。
もちろん、この講座の参加者も、指先で点字を読めるようになる必要はありません。点字のパターンを「見る」ことで読めばいいのです。
点字の世界をのぞく
さあ、いよいよ点字の世界に入ります。
この記事の中ですべて網羅することはできませんが、サンプルを見ながらちょっとだけ点字の読み方をご紹介します。
点字は1文字を6つの点で表します。これを1マスといいます。
50音のカナは、母音を表す点3つと、子音を表す点3つを組み合わせます。
よく見ると、「か」や「く」や「ん」のところが同じことがわかります。
「だ」「が」など濁音は文字の前に「゛」を示す文字をつけ、
「しゅ」なども2マス使った独自の表記があります。
また、「15」など数字の前には、ここから数字が始まるということを示す「数符」をつけます。
点字の概要のお話も興味深かったのですが、途中で紹介された、点字学習の前段階で使う触る絵本なども印象的でした。触れることを通して子供たちにストーリーの面白さを伝え、楽しんでもらおうとする作り手の想いが感じられました。
(文:新井)